東洋大学 福祉社会デザイン学部 人間環境デザイン学科
福祉デザイン工学研究室
嶺也守寛研究室
嶺研究室のサイトへようこそ!
人間環境デザイン学科では、2年生の秋学期の1月頃にコース配属の説明会、3年生の春学期の7月頃にゼミ配属の説明会を経て所属ゼミが確定します。ゼミを決めるには将来的な方向性や興味ある分野、もちろんゼミの雰囲気や教員との相性など様々な要因があるかと思います。このサイトでは、嶺研究室の研究活動及び研究指導領域のご紹介致します。もちろん大学院生の受け入れも歓迎しております。
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嶺の専門分野:3つの分野で研究活動を行っています。
①バイオメカニクス領域における動作分析・歩行分析
嶺研究室では、3次元動作分析装置(モーションキャプチャー)を用いた動作分析及び歩行分析を行っております。特に何等かの障害により歩行困難になった場合の義肢装具によって歩行再建が行われますが、義肢装具を装着することによって歩行がどう変化するのかをデジタル計測で記録し分析していきます。
左の写真は、沖縄にある佐喜眞義肢本社内での3次元動作分析装置を用いた実験の様子です。主な研究としては、変形性膝関節症の方のための膝装具(CBブレース)を応用した計測用装具を開発したので、装着した際の歩容を分析しています。将来的には携帯端末で自らの歩行の状態を確認できリハビリテーションの一助となる装置を開発していきます。
②スヌーズレン器材の開発
スヌーズレンとは1970年代にオランダの重度知的障がい者施設においてリラクゼーションの一手法として始められた活動です。スヌーズレンの語源は、オランダ語の「クンクン匂いをかぐ」と「ウトウト居眠りをする」の造語からなり、今日では、世界中の福祉施設や学校、病院、個人宅などでさまざまな障がい者や病気のある人々などを対象とした余暇や教育・セラピーの方法として広く活用されています。現在、川後商工会議所の異業種交流グループKOEDO会の会員企業とスヌーズレン器材の共同開発を行っております。嶺研究室では、今迄に無いデザインのスヌーズレン器材の開発や空間デザインの提案を行っております。詳しくは、画像をクリックしてください。
③フランス語圏の福祉施策の調査
フランス語圏「la Francophonie」という言葉の発祥は、1880年フランスの地理学者 Onèsime Reclus が著書である「フランス・アルジェリアと植民地:France Argèrie et colonies」中で、フランス語を使う民族や国を総称して名付けたことが始まりと言われています。1999年4月から2年間、西アフリカのフランス語圏の1つであるセネガルにJICA長期派遣専門家として赴任した経験からこの研究テーマを行うことにしました。確かに、この学科が挙げているユニバーサルデザインは、障害者や高齢者にとって重要なことですが、お金持ちの国だけが実現できればそれで良いのでしょうか。途上国にも多くの障害者が生活していますが、ユニバーサルデザインとは遥かに距離のある暮らしの中で、彼らはどの様な生活をしているのでしょうか。フランス語を公用語とする国は36ヶ国あり、共通言語の中で国の福祉制度の違いやそこで生きる障害者について調査研究しています。
その他の指導領域
溶接指導
TIG溶接をメインに鉄・ステンレス・アルミ・銅などの溶接技術を嶺研究室独自で指導しています。現在までに自転車などの精密さを要求するものから人が乗れる大型構造物まで研究に必要な構造は、自前で溶接して組み上げます。また、ろう付けなどの低温溶接も行え、デザイン性のある金属支柱の修理も行いました。3年生のプレゼミでは、木の座面と金属の支柱のスツールを作る課題を行っております。
3DCADによる設計と3Dプリンター技術の指導
ものづくりをする上で最も重要なことは設計です。もちろん詳細設計する前段階の構想設計でイメージデッサンすることも必要ですが、「絵」が描けるだけでは具現化できません。嶺研究室では、3DCADであるSolidworksをメインに使っています。3Dプリンターは学科に2台設置されていますが、嶺研究室では独自に3Dプリンター(MAESTRO)を保有しており、ゼミ生が自由使える様にしています。
春休みにはゼミ生だけでなく他ゼミの学生も含めた3DCADと3Dプリンターの講習会を独自に行っています。写真は、3年生の演習で行ったものですが、ハンドスピナーのデザインを3DCADでモデリングして、3Dプリンターに出力し、回転を競う課題を行いました。
機械加工及び金属加工
学科の実験工房には、金工室があります。設置している機材は、汎用旋盤、半自動フライス盤、バンドソー、両頭グラインダー、ボール盤、溶接機、ロールベンダー、パイプベンダーなどがあり機材管理も行っております。デザイン学科ですので学生自身が旋盤や半自動フライス盤などを使って加工作業を行うことは少ないですが、研究などで必要な部品は金工室内の機材で作ります。また、鍛金の道具もありますので銅細工の加工もできます。